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「仕事はお金じゃない」発言をする社長は危ない?

2023/06/29

離職率改善コンサルタントとして介護業界での離職率改善に取り組んでいる小林武尊(こばやし たける)。小林が介護職の現場で仕事をするなかで、離職率改善のキーパーソンは社長などトップにあると考えています。

離職率改善をしたいと考えながらも実現できない会社やチームにありがちな、こんなトップの行動は見直すべきという4選を4記事にわたって紹介しています。今回はその第3回目です。

第1回目では、決断力や責任を取るという意識がなく、他力本願で責任転嫁しがちなトップについて、また2回目は適切な指導やフォローアップもなしに簡単に部下の悪口を言ってしまうトップについてでした。

「仕事はお金だけじゃない」はやりがい搾取にもつながる

会社のなかで誰よりも高い収入を得ているトップから「仕事はお金だけじゃない」と言われたら、どのように捉えるでしょうか。

もちろん、社長やその二番手にあたる経営部、幹部の役職についている人は一般社員や一般の職員と比べると潤沢な給料を得ているといえます。それだけ重要な役割であり、その分長い間仕事に従事していたり、取るべき責任の範囲が大きかったりすることが、報酬としてお金に反映されているからです。

だからといって会社や組織のトップに位置する社長などが部下に対して「仕事はお金じゃないから」と言ってしまうことは安易すぎると考えています。介護業界のなかには、大企業とよばれるような多数の施設を抱える企業もあれば、ベンチャー気質の企業もあります。会社の特性こそそれぞれですが、個人の成長や成果を給料として反映させ、そこで得た給料で自己投資をして自己成長につなげるというサイクルは仕事をするうえでとても重要です。

働く人にとっても昇給や、自己投資のための出費といったお金の循環があることが生活を豊かにする手助けになります。

「お金じゃないよ」と言う社長がいる会社ほど、給料や昇給、賞与などを明確にできていないことが多いのも事実です。これはやりがい搾取にも取れる行動ではないでしょうか。

もちろん会社に雇われている以上、どんな役職であれ会社の利益のために個人が成長し、業務において工夫をすることは重要で、職員みんなで成果を出せるように仕事に取り組むことは大切です。それと同時に会社も、個人に対して給料や賞与として還元しなければなりません。

職員一人ひとりのキャリアアップの希望や人生プランを把握しておくことも大切でしょう。将来的にはどんな役職で働きたいのか、仕事とプライベートをどのように両立させて、どのような立場で働きたいと考えているのかなど、一人ひとり違う希望や目標をしっかりと話し合ったうえでキャリアアップのサポートをすることも社長の役割のひとつといえるでしょう。

最後の「離職率改善に向けてこんなトップはヤバい」は

今回の「離職率改善に向けてこんなトップはヤバい」は、「仕事はお金だけじゃない」と口にする社長についてでした。働く以上、給料や報酬は避けることのできない内容でしたね。

次回最終回は、「辞めた職員の悪口を言う」社長についてです。

次回もぜひじっくりと読んでくださいね。