医療介護業界のセキュリティ対策について
2023/08/15
ブログ
2023/08/15
医療・介護業界は、患者や利用者の個人情報や重要な医療データを扱う重要な業種です。しかし、最近ではセキュリティに関する問題や事件が増えており、個人情報漏洩やデータ改ざんなどの被害が深刻化しています。このような状況から、医療・介護業界においてセキュリティ対策を強化することがますます重要となってきています。
まず、なぜ医療・介護業界におけるセキュリティ対策が必要なのかを考えてみましょう。
医療機関や介護施設では、患者や利用者の個人情報だけでなく、病歴や検査結果、処方箋などの医療データも扱われます。これらの情報が漏洩したり改ざんされたりすると、患者のプライバシーが侵害されたり、誤った診断や治療が行われる可能性があります。また、セキュリティ対策が不十分な状態でサイバー攻撃を受けると、業務が停止したり、患者のサービス提供が滞ったりすることもあります。
では、医療・介護業界におけるセキュリティ対策の方法をいくつか紹介します。
まず第一に、セキュリティ意識の向上が重要です。全ての従業員がセキュリティの重要性を理解し、日常の業務においてセキュリティに関するベストプラクティスを実践することが求められます。定期的なセキュリティトレーニングや教育プログラムを実施し、従業員が情報セキュリティの基本を理解し、セキュリティ対策がされた安全な状態で業務遂行ができるようにしましょう。
また、社内でのセキュリティポリシーの策定や運用も重要です。従業員がセキュリティルールを守るためのガイドラインを提供し、それを厳格に遵守することで、情報漏洩や不正アクセスのリスクを軽減することができます。
第二に、システムやネットワークのセキュリティ対策を強化することが必要です。まず、強力なパスワードや二要素認証などの認証手法を導入しましょう。
また、システムやアプリケーションのアップデートを定期的に行うことで、最新のセキュリティパッチを適用し、脆弱性を最小限に抑えることができます。
さらに、ファイアウォールや侵入検知システムなどのセキュリティソリューションを導入することも有効です。これらの対策によって、外部からの不正アクセスやマルウェアの侵入を防ぐことができます。
このように、医療・介護業界におけるセキュリティ対策は重要です。セキュリティ意識の向上と従業員の教育、システムやネットワークの強化など、様々な取り組みが必要です。
次に、上記で紹介したセキュリティ対策の方法を踏まえて、具体的な取り組みについてご紹介します。
最も初歩的な取り組みとして、パスワードを強力なものにするというセキュリティ対策があります。
強力なパスワードとは、他人に推測されにくいパスワードのことです。具体的には、大文字・小文字・数字・記号を混ぜた最低でも8文字以上のパスワードで、意味のある単語文字列や個人的に紐付けられた数列など(誕生日等)が含まれないものが良いでしょう。(システムによっては、大文字小文字の区別がつけられないこともあります)
その他にも、職員間でパスワードを共有せず、職員一人ひとりにIDとパスワードを発行することも大切です。どのID・パスワードでログインした際に情報流出が起きたかなどの履歴をたどることができ、責任の所在を明らかにできる状態にしておくことも必要です。
また、WebブラウザにはIDとパスワードの保存機能がついています。職場内で共用で使うパソコンなどにはこのパスワード保存機能を使わないよう、機能自体を無効にしておく設定が必要です。
次に、データの暗号化を導入することも重要です。患者や利用者の個人情報や医療データは、外部からの不正アクセスのリスクにさらされています。また、昨今はリモートワークが一般化してきており、職場で使用しているノートパソコンを社外に持ち出して使用することで、社外でのノートパソコンの紛失や盗難による情報漏洩のリスクもあります。
データの暗号化は、情報を保護するための有力な手段です。データを暗号化することで、不正な第三者がデータを読み取ることを防ぎます。また、データの送受信時にも暗号化を行うことで、セキュリティレベルを高めることができます。
具体的な対策としては、Windowsであれば「BitLocker(ビットロッカー)」、Macであれば「FileVault(ファイルヴォールト)」という暗号化機能が搭載されているので、その機能を使うと良いでしょう。また、外付けのHDD/SSDを使用する場合には、暗号化機能付きの外付けのHDD/SSDを購入し使うと良いでしょう。
次に、アクセス制御を強化しましょう。医療機関や介護施設では、様々な役割や職種の人々が働いています。それぞれの従業員には、必要な情報にのみアクセスできるようにすることが重要です。アクセス制御のためには、役割や権限に基づいたアカウント管理や、アクセスログの監視などが有効です。また、従業員が退職した際には、アカウントやアクセス権限を適切に削除することも忘れずに行いましょう。
さらに、定期的なセキュリティ監査や脆弱性評価を実施することも重要です。セキュリティ対策は一度行ったら終わりではありません。継続的な監査や評価を行うことで、新たな脅威やセキュリティ上の課題を把握し、早期に対処することができます。
セキュリティ監査や脆弱性評価は、知識のあるセキュリティ専門家や外部のセキュリティ企業との連携を活用するのが良いでしょう。定期的な監査や評価によって、セキュリティ対策の改善点や不備を特定し、それに対する対策を実施することが重要です。
最後に、データのバックアップと復旧策の確立も忘れてはいけません。データはいつでも紛失や破損のリスクにさらされています。万が一の事態に備えて、定期的なデータバックアップを実施しましょう。バックアップは複数の場所に保存することが望ましいです。また、データの復旧策も準備しておくことで、データの損失やシステムの停止時間を最小限に抑えることができます。
以上が、医療・介護業界における具体的なセキュリティ対策の取り組みです。
医療・介護業界は、患者や利用者の経済面や家族状況など多くの個人情報を扱う仕事で、情報流出により患者や利用者、その家族が不利益を被る可能性が極めて大きいです。セキュリティ対策をするということが、患者や利用者、その家族を守るという意識をしっかりと見に付け、こちらの記事で紹介した方法を実践することで、個人情報の保護や業務の安定性を確保しましょう。
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